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Author:サイモン・シン、青木薫

Title:宇宙創成(下)(新潮文庫)

Date:土曜日 12月 1, 2018, 22 highlights

@219
ミルンは、遠くの銀河ほど大きな速度をもつというハッブルの観測結果は、速度が大きいからこそ遠くまで行けたのだから、当然のことだと論じた。ミルンによれば、銀河が距離に比例する速度で遠ざかるのは、原初の原子なるものが爆発したせいではなく、ランダムに運動するものが、何の制約も受けずに運動できるならば自然に現れる特徴だった。
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@471
体積で言えば、原子核は、原子全体の(1/100,000) 3、すなわち〇・〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇〇一パーセントでしかない。  これは驚異的な小ささであり、われわれの周囲にある物質を作り上げている原子は、ほとんどからっぽの空間だということになる。
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@500
放射能の根本原因を説明できるようになった。原子核はすべて陽子と中性子からできており、それらの粒子をやりとりすることによって、ある原子核が他の原子核に変わり、ひいてはある原子が他の原子に変わる。これが放射能の背後にあるメカニズムだった
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@528
核反応で放出されるエネルギーは、ごくわずかな質量がエネルギーに転換されるプロセスによって直接的に生じているのである。ラジウム原子核がラドンの原子核とアルファ粒子に変換されるとき、ラドン原子核とアルファ粒子の質量を合わせたものは、ラジウム原子核の質量よりも小さい。
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@985
たいていの人は毎日プラズマを作り出している。蛍光灯にスイッチを入れると、内部のガスはプラズマになるのだ。
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@1238
宇宙の膨張を埋め合わせるために必要な生成速度は、「エンパイアステートビルディングに等しい体積中に、一世紀に原子一個」ほどでしかなく、地球上の観測者がそれを目にすることはないだろう。これらの原子の生成を説明するために、ホイルは「生成場(creation field)」、もしくはC場として知られることになるものを提案した。この場は完全に仮想的で、全宇宙に 染み渡っているとされ、自発的に原子を生成して現状維持を図る。ホイルはこの仮想的なC場の背景にある物理については、何もわかっていないことを認めざるをえなかった。しかし彼に言わせれば、たった一度のビッグバンで全宇宙が創造されたというよりは、たえず物質が生成される彼のモデルのほうがはるかにまっとうだった。
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@1817
星の温度は、表面で数千度、中心部で数百万度ほどと推定されていた。この温度では、水素をゆっくりとヘリウムにすることはできても、ヘリウムを融合させてもっと重い原子核にするにはまったく足りなかった。そのためには数十億度という温度が必要になるのだ。
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@1871
星が爆発して死ぬときには、もっと重い元素が合成されるのだ。われわれの太陽は、おそらく第三世代の星だろうと考えられている。
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@1874
われわれが生きるために、十億、百億、それどころか千億の星が死んでいる。われわれの血の中の鉄、骨の中のカルシウム、呼吸をするたびに肺に満ちる酸素──すべては地球が生まれるずっと前に死んだ星たちの炉で作られたものなのだ」ロマンチストは、自分は星くずでできているのだという考えが気に入るだろう。冷笑家は、自分は核廃棄物だと考えるほうを好むかもしれない。
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@1948
われわれはここに存在して宇宙を研究しているから、宇宙の法則はわれわれの存在と矛盾しないようなものでなければならない。
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@2169
医学上のセレンディピティーにはバイアグラがある。この薬はもともと心臓病の治療薬として開発されたものだった。研究者たちがこの薬の有用な副作用に気づいたのは、臨床試験に参加した患者たちが、心臓病にはとくに効果がなさそうだったにもかかわらず、未使用分の薬を断固返したがらなかったからだ。
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@2172
セレンディピティーを積極的に生かした科学者たちを、単に幸運な人たちと分類するのはたやすいが、しかしそれは正しくない。セレンディピティーに恵まれた科学者や発明家が、偶然の発見から先に踏み出せたのは、その発見を適切な文脈の中で位置づけるだけの知識を蓄積していたおかげなのだ。
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@2401
自分がユダヤ人だとわかるようなことを言った。すると市街電車の中の空気ががらりと変わり、母は電車から降りて、次の電車を待たなければならなくなったのだ。この出来事から、私は人前でユダヤ人だと言ってはいけないこと、そしてもし言えば、家族を危険にさらすことを学んだ。
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@2597
今耳を傾けている音のうち約〇・五パーセントほどは、数十億年の過去からやってきたものなのだ。
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@2699
理論は突然変異の役割を果たし、観測は自然選択の役割を果たす。どれかの理論が絶対的に正しいと証明されることは決してない。理論にできるのは、たかだか生き残ることだけなのだ」
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@2713
宇宙の年齢が有限で、光の速度も有限なら、夜空の光の量は有限だという結論になるのである。そして実際、われわれが目にする夜空はそうなっている。
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@3126
ビッグバンは、空間の 中で 何かが爆発したのではなく、空間 が 爆発したのである。同様に、ビッグバンは時間の 中で 何かが爆発したのではなく、時間 が 爆発したのである。空間と時間はどちらも、ビッグバンの瞬間に作られたのだ。
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@3349
まるでこれら六つの数は、生命を出現させるべく調節されているかに見えるのだ。あたかも宇宙の進化を決める六つのダイヤルがあって、それぞれの値が注意深く設定され、われわれが存在するのに必要な条件を作り出しているかのように。著名な物理学者フリーマン・ダイソンはこう書いた。「宇宙の構造を詳しく調べていけばいくほど、ある意味で、宇宙はわれわれの登場をあらかじめ知っていたに違いないという証拠が見つかるのである」
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@3417
ビッグバンのときには物質と放射が生じただけでなく、空間と時間も生じたはずだからだ。もしも時間がビッグバンで創造されたのなら、ビッグバン以前には時間は存在しなかったことになり、「ビッグバン以前」という言葉は意味を失う。これを理解するために、「北」という言葉を考えてみよう。北という言葉は、「ロンドンの北はどうなっているのか?」とか、「エディンバラの北はどうなっているのか?」という問いには使えるが、「北極の北はどうなっているか?」という文脈では意味を失うのである。
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@3457
日常の巨視的な世界では、どんな結果にも原因があるという因果律がたしかに成り立っている。しかし微視的な量子の世界を支配しているのは「不確定性原理」だ。不確定性原理は、ものごとは原因がなくとも起こると述べ、それが正しいことは実験によって確かめられている。また不確定性原理によれば、一時的にではあれ、物質がどこからともなく現れる。
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@3462
量子宇宙論」から引き出される仮説によれば、宇宙はとくに何の理由もなく、どこからともなく現れてもよいことになる。
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@3465
この世にタダなどというものはない、とはよく言われることだ。しかし宇宙それ自体は、タダで手に入ったのかもしれない」
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