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Author:レイ・カーツワイル、NHK出版

Title:シンギュラリティは近い [エッセンス版] 人類が生命を超越するとき

Date:土曜日 11月 24, 2018, 55 highlights

@112
シンギュラリティを理解して、自分自身の人生になにがもたらされるのかを考え抜いた人のことを、「 技術的特異点論者」と呼ぼう。
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@141
これから数十年のうちに、情報テクノロジー(IT)が、人間の知識や技量をすべて包含し、ついには、人間の脳に備わったパターン認識力や、問題解決能力や、感情や道徳に関わる知能すらも取り込むようになる
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@144
人間の脳は、さまざまな点でじつにすばらしいものだが、いかんともしがたい限界を抱えている。人は、脳の超並列処理(一〇〇兆ものニューロン間結合が同時に作動する)を用いて、微妙なパターンをすばやく認識する。だが、人間の思考速度はひじょうに遅い。
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@166
シンギュラリティ以後の世界では、人間と機械、物理的な現実と 拡張現実(VR)との間には、区別が存在しない。そんな世界で、間違いなく人間的だと言えるものが残っているのかと問われれば、あるひとつの性質は変わらずにあり続ける、と答えよう。それは、人間という種は、生まれながらにして、物理的および精神的な力が及ぶ範囲を、その時々の限界を超えて広げようとするものだ、という性質だ。
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@208
進歩の率は一〇年ごとに二倍になっているので、一〇〇年の進歩に相当するものは、たったの二五年で実現されるだろう
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@239
未来予測を立てるときには、別の種類の間違いを犯しやすい。今日のあるひとつの傾向から導かれる変化にだけ注目し、他のことがらはなにひとつとして変わらない、としてしまうことだ。
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@259
量子重力理論という最近の理論では、時空は、離散した量子、つまり本質的には情報の断片に分解されると言われている。物質とエネルギーの性質が究極的にはデジタルなのかアナログなのかという議論があるが、どう決着するにせよ、原子の構造には離散した情報が保存され表現されていることは確実にわかっている。
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@382
テクノロジーの進歩の速度は、どこまでも上昇し続けるのだろうか。どこかで、人間の頭の回転が追いつかなくなったりはしないのだろうか。強化されない人間なら、きっと追いつけなくなる。
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@415
人間の知能に従来からある長所のひとつに、パターン認識なる恐るべき能力がある。超並列処理、自己組織化機能を備えた人間の脳は、捉えがたいが一定した特性をもつパターンを認識するには理想的な構造物だ。人間はさらに、経験をもとに洞察を働かせ、原理を推測することで、新しい知識を学習する力をもっている。
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@457
将来の分子回路は、ナノチューブのような装置を用いるものになる。ナノチューブとは、炭素原子でできた微小な管状の分子で、幅は原子一〇個分しかなく、今日のシリコンベースのトランジスタの五〇〇分の一の大きさしかない。信号が伝わる距離が短いので、数テラヘルツ(毎秒数兆回の動作)の速さで作動することができる。これに比べて、今の集積回路の速さは、数ギガヘルツ(毎秒数十億回の動作)でしかない。
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@491
VRでは、人は、身体的にも感情面でも違う人間になることができる。
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@496
文明の知能は、宇宙のすみずみまで広がり、その能力を拡大し続ける。拡大する速度は、そのうちすぐに、情報が伝達される最大速度に至る。
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@711
生物の進化では、多様性を生みだす要因のひとつに、有性生殖を通じて遺伝子を混ぜ合わせ組み合わせるという作用がある。有性生殖自体も、進化におけるイノベーションのひとつで、生物の適応のプロセス全体を加速化させ、無性生殖の場合よりもさらに多様な遺伝子の組み合わせをもたらした。
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@717
比較的少ない情報しかもっていないゲノムが、人間などというシステムをどうやって生みだすことができるのか、ということだ ── 人間は、それを描写する遺伝情報よりもはるかに複雑だというのに。この問題を解くひとつの方法が、生物のデザインを「確率的フラクタル」と見なすことだ。そもそも、決定論的フラクタルというものがある。
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@720
ひとつのデザインの要素(「 初期形」と呼ばれる)が、多数の要素(「 生成形」と総称される)で置き換えられるデザインのことだ。
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@728
確率的フラクタルになると、不確定の要素が加わる。決定論的フラクタルでは、描写されたデザインはいつでも前の段階と同じものに見えるが、確率的フラクタルではデザインができるごとに、特徴は似ていても、違って見える。
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@731
確率的フラクタルは、画像プログラムで作られる山や雲や海岸や木の葉などの有機的な風景に、現実的なイメージをもたせるために用いられている。
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@742
ヒトゲノム全体には、八億バイトの情報しかなく、データ圧縮をすればたったの三〇〇〇万から一億バイトになってしまう。これは、完全に形成された人間の脳にある、すべてのニューロン間結合と神経伝達物質の濃度パターンによってやりとりされる情報量の、一億分の一程度でしかない。
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@773
通常、ITの性能についてのさまざまな基準 ── コストパフォーマンス、帯域幅、容量 ── が二倍になる時間は、およそ一年
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@1092
このスケジュールが加速化する道はいくつかある。汎用的なプロセッサを使う代わりに、特定用途向けの集積回路(ASIC)を用いて、まったくの反復的な計算のコストパフォーマンスを引き上げることができる。こうした回路はすでに、ビデオゲームの動画を生成する際の反復計算に用いられ、
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@1106
現在のところ、インターネット上のすべてのコンピュータの能力の、九九パーセント以上が ── 九九・九パーセントとまではいかないにしても ── 使われていない。
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@1110
人間の脳の能力が二〇二〇年あたりには一〇〇〇ドルに相当すると予測してもおかしくない。
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@1126
人間は、ひとつの領域でおよそ一〇万の概念をマスターできるとわかっている。
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@1141
二〇三〇年には、ひとつの村に住む人間の脳(約一〇〇〇人分)が、一〇〇〇ドル分のコンピューティングに相当するようになる。二〇五〇年には、一〇〇〇ドル分のコンピューティングが、地球上のすべての人間の脳の処理能力を超える。
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@1164
コンピューティングの最終的な限界について考えることは、実際には、われわれの文明はどういう運命をたどるのか、と問うているのと同じこと
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@1178
プロセッサの速度は電圧に関係し、必要とされる電力は、電圧の二乗に比例する。
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@1183
人間の脳は、約一〇〇兆台のコンピュータを使っている(ニューロン間結合数。ここで処理の大部分が行なわれている)。しかし、これらのプロセッサのコンピューティング能力はとても低く、したがって、あまり熱を生じない。
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@1206
NOT(否定 ── 0は1に、1は0にとビットを反対のものに転換する)などの可逆的論理演算〔 演算結果から、演算前の値が一義的にたどれるもの〕 はエネルギーを取り込んだり熱を出したりすることなく実行できるが、AND(論理積 ── 入力AとBの両方が1の場合に限り1のビットCを出力する)のような不可逆的論理演算にはエネルギーが必要になる
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@1211
どのようなコンピューティングでも可逆的論理演算のみを用いて実行できる
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@1213
リバーシブルコンピューティングの概念を総括的に見直した結果を発表した。その基本的な考え方は、中間の結果をすべて保持して、計算が終わったときにアルゴリズムを逆向きに走らせたら、開始した地点に行き着き、エネルギーは一切使わず、熱も一切発生していないことになる、というものだ。それでも、その過程で、アルゴリズムの結果は計算されている。
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@1218
の中ではたいしたことは起こっていないように見えるが、一キログラムの物質中にあるおよそ 個(一〇兆×一兆)の原子は、実際には非常に活発だ。物体は一見固く安定しているようだが、すべての原子は動いていて、電子をやり取りしたり、素粒子のスピンを変更したり、急速に動く電磁界を発生させたりしている。これらのすべての活動は、コンピューティングを表している。たとえ、あまり有意義に構成されていなくても。
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@1261
本質的にランダムな熱運動と量子効果があるために、論理演算には内在的なエラー率が含まれている。エラー検出符号やエラー訂正符号を用いてエラーを克服することができるが、ビットを訂正するごとに、可逆的ではない演算がなされ、エネルギーを必要とし熱を発生することになる。
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@1307
一キログラムのラップトップの塊をエネルギーに変換することは、基本的に、熱核爆発で起きているのと同じことである。
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@1413
航空史の幕が開けたころ、ジェット推進の限界についての分析の結果では一様に、ジェット機は実現不可能だと明白に証明されていた。
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@1568
人間の脳に収められている情報は一〇億×一〇億ビットの桁数になるが(第三章を参照)、脳の初期設計は、かなりコンパクトなヒトゲノムに基づいている。ゲノムの全体量は八億バイトだが、そのほとんどは反復にすぎず、独自の情報をもっているのは三〇〇〇万から一億バイト( ビット以下)だけで(圧縮後)、マイクロソフト・ワードのプログラムよりも少ない。
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@1641
デジタルとアナログが混じり合ったネットワークの機能のすべてを、デジタルだけのコンピュータで実行することができるのだ。この逆は真ではない。デジタルコンピュータの機能のすべてをアナログコンピュータでシミュレートすることはできない。
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@1644
アナログのコンピューティングには工学的な利点がある。潜在的には、デジタルよりも何千倍も効率が高いのだ。アナログのコンピューティングは、数個のトランジスタで実行できる。あるいは、哺乳類のニューロンの場合なら、特定の電気化学的プロセスで行なわれる。これに対してデジタルでは、数千もしくは数万個のトランジスタが必要だ。
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@1767
ナノボットを生物の脳の構造に結びつけるにあたって大きな技術的課題となるのが、血液・脳関門(BBB)だ。一九世紀の終わりごろ、動物の血流に青い染料を注入すると、すべての器官が青に染まるが、脊髄と脳だけはそうならないことを科学者が発見した。
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@1887
精神科医のピーター・D・クレイマーは「精神が、われわれに理解できるほど単純だとすれば、われわれはあまりにも単純すぎて、精神を理解することはかなわないことになる」と書いている。『
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@2055
ひとつ疑問がわいてくる。人の神経系をどれくらい素早くスキャンしなければいけないのだろう。
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@2065
人の「量子状態」はスキャンされている間にも何度も変化するのでアップロードは不可能だ、という意味に解釈する人もいる。
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@2079
もっとも重要な問題は、アップロードされた人間の脳が、本当にあなたなのか、というものだ。
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@2235
彼が設計したレスピロサイト(人工赤血球)を用いれば、人は酸素なしで何時間も生きられる。
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@2439
人間のアイデンティティはしばしば体と密接に結びついている(「僕は鼻が大きい」「わたしはやせっぽちだ」「おれは大男だ」というように)。別の人物になる機会は、人を解放してくれるということにわたしは気づいた。
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@2558
わたしの精神のファイルをベースとする人物、すなわちいくつものコンピューティング基板に転々と移り住み、どの思考媒体よりも長生きするその人は、本当にわたしなのだろうか。
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@2845
製品やサービスの主要な価値がその情報に属するようになると、ビジネスモデルを支えるために情報の権利の保護がとりわけ重要になる。
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@2969
愛する人が死んだとき、人はよくみずからの一部を失ったように感じると言うが、それはまさにそのとおりで、その人と交流するために脳の中にできあがっていた神経系のパターンを実際に使う能力が失われるのだ。
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@3048
二〇四〇年代には非生物的な脳のほうが数十億倍もの能力を発揮するようになる。それでもまだ人間は生物的な脳に意識を結合させているだろうか?
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@3049
非生物的な存在が、今日のわれわれのように、自分にも感情と精神があると言い張るようになるのは目に見えている。彼ら ── つまりわれわれ ── 自身もまた人間であり、人間がみずからの特性とする感情的、精神的経験のすべてをもちあわせていると主張することだろう。それも根拠のない話ではない。そして彼らは実際にそのような感情と結びついている豊かで複雑で繊細な行動をしてみせるだろう。
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@3102
法体系の実際の変更は、法律制定よりもむしろ訴訟によってもたらされることになるだろう。訴訟が多くの場合、突如、法体系の変化を引き起こすのだ。
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@3174
人体冷凍術に関しても実際的な問題となる(人体冷凍術とは、死亡直後の人体を冷凍保存し、死因となった状況や疾病を克服できる技術と、冷凍保存および死の初期段階に受けたダメージを回復できる技術が揃った未来に生き返らせようというもの)。「保存されていた」人がついに生き返ったとしても、提案されている方法によれば、その生き返った人間は、まったく新しい物質と、同じ神経パターンのまったく新しいシステムで本質的に「再構築」されることが示唆されている。そのため、蘇生した人間は事実上、レイ2号(すなわち別人)となるだろう。
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@3192
すべてのプロセスが終わったとき、そこにあるのは新しいわたしに相当する存在(すなわちレイ2号)で、古いわたし(レイ1号)はもはやいない。したがって、緩やかな置き換えもまた、わたしの死を意味する。ここで疑問がわき起こるかもしれない。いったいどの時点で、わたしの身体と脳は、別の誰かになってしまったのだろう、と。
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@3207
すなわち、「物質である脳から、いかにして意識のように明らかに非物質的なものが生じるのだろうか」という問題を説明していない。
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@3307
量子の不確定性のため、実際には密度無限大の点は存在しない。実際、量子力学では無限の値を認めないのだ。
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@3329
重要な科学革命すべてに共通する特徴として、人間中心の宇宙という信念の台座から、傲慢な人間を一段ずつ引きずりおろしてきた、ということがあげられる」
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